思い出を抱きしめて...

20歳で逝ってしまったあなたへ

それを母さんに聞くか…

下の子は現在、進路選択・志望校設定で頭がこんがらがっている


これといった将来の夢が無い  ただ県外には行きたいと


あの頃も酷く悩んで落ち込みがちだった


私は夜遅くまで話を聞いていて、いい加減疲れていた
もう、あっちもこっちも...と
あの子も疲れをラインで訴えていたのに...
目の前に居ないので、乗り越えて欲しいと願うだけだったんだ


そんな中、あの日はやって来てしまった



今、あの子と同じ悩みを口にしている


将来、どうすれば良いのか解らない、不安でしょうがないと...


同じだ...


どう答えれば正解なんだろう...どうすれば助けてやれるんだろう


もう、決して間違ってはいけない


取り返しのつかない事にはもう決してしてはいけないんだ


思春期には誰もが考え、不安になる事
世間が色々解ってきたのも成長した証拠だ


でも、あの子は逝ってしまった...



下の子が私に聞いた


「母さんは、今までの人生の選択は良かったと思う?」


絶句した


良かったわけがない...


涙がこぼれ落ちそうになった


詳細は主人と相談の上、下の子には話していない
私を人生の先輩として聞いてきたんだ


あれから、人生の選択を幾度も振り返っては、あの時こうすれば...を繰り返した
自分が生まれて来なければ...とまで遡った



涙を堪えながら、私が言えたのは...


「良かったかどうか解らない...それが正直なところ
でも、言えるのは○○と○○がお母さんの子供に生まれてくれたのは嬉しい
○○と○○は大好きで愛している
選択が良かったかは解らないけど、これからを良くしていこうと思っている
答えが解るのは自分が死ぬときだろうな...」と


最後の一行は不要だった気がする


上手く言えなかった...
ポンコツな母親の私には、子育ての資格が無いと自信を失っていた
生きてさえいれば...と毎日をやり過ごしていたんだ


神様が同じ事を試しているようだ...辛い



でも、これじゃいけない


私をこの子はまだまだ必要としているんだと痛感している




私はまだ母親なんだ...